アレルギー豆知識(知識編)

 『知識編』では、アレルギーとはなにか、またアレルギーの主な5疾患について、簡単に説明しています。

 

アレルギーって何?

  体の中に、ウィルスや細菌が入り込むと、人は、それを体から追い出そうとします。これが「免疫」といわれる体を守る仕組みです。ところが、この免疫の働きが過敏すぎると、体にさまざまな症状を引き起こすことがあります。たとえば、鶏卵アレルギーの人は、鶏卵を食べると皮膚に湿疹が出たり、目がはれたりすることがあります。このような反応をアレルギー反応といます。
 アレルギー反応は、「アレルゲン」といって、アレルギー反応を引き起こす物質(ダニや花粉、食物など)と、アレルゲンにさらされることによって体の中で作られる「IgE(アイジーイー)抗体」が結びつき、細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出されることによって起こります。    


※アレルギーを引き起こす物資を「アレルゲン」といいます。

 

ぜん息

 ぜん息は、何らかの原因によって慢性の気道の炎症をおこす病気です。炎症があるために空気の通り道である気管支が過敏になっていて、痰が増えたり、気管支の内腔をおおう粘膜がむくんだりします。また、気管支をとりまく筋肉が一時的に狭くなって(気管支の痙攣(けいれん))、息苦しくなる発作が繰り返され、「ヒューヒュー、ゼコゼコ」と言った特有の音が出ます。
 原因物質はハウスダスト(ダニ)やペットの毛やフケなどいろいろあります。治療が中途半端で発作を繰り返していると慢性化してしまい、発作のないときも苦しくなることがあります。炎症を悪化させないようにするため、発作がない時も「治療のよい機会」です。自己判断で治療を中断することなく、根気よく続ければ、発作がおきないようにコントロールすることができます。  

 

アトピー性皮膚炎

 痒みを伴い、赤くなりジクジクしたぶつぶつが出来、皮がむけてかさぶたになる状態です。症状が長期化すると硬くなったりします。発疹は額、目のまわり、口のまわり、くび、肘・膝・手首などの関節周囲、背中やお腹などに出やすく、左右対称性に出ます。慢性に経過する疾患で、乳児では2ヵ月以上、その他では6ヵ月以上継続するものをいいます。皮膚のバリア機能の低下に加え、ダニ、食べ物などに対するアレルギー反応が生じてアトピー性皮膚炎がおきます。
 この診断を受けた患者さんの中には、治療で使われる「ステロイド」について、不安を持つ方がいるかもしれません。しかしステロイドは、皮膚の炎症を抑える大変有効な薬です。アトピー性皮膚炎の味方ですから、処方された薬は必ず指示通り使いましょう。もし心配なことがあれば、遠慮なく主治医に質問してみて下さい。

 

アレルギー性結膜炎

 アレルギー性結膜疾患は、眼に起きるいろいろなアレルギー疾患の総称です。他のアレルギー疾患と同様、遺伝的なアトピー素因と環境因子で発症します。かゆみ・結膜の充血・結膜のむくみ・異物感が主症状です。花粉症では、アレルギー性鼻炎との合併が多いとされています。

 

食物アレルギー

 体の中にウイルスや細菌が入り込むとそれを追い出そうとする免疫システムが働きます。ところが、この免疫が過敏すぎると、湿疹が出たり、目がはれるなど、体にアレルギー反応を起こします。この中でも、食べ物が原因でこういったアレルギー症状が出ることを、食物アレルギーと呼びます。食べ物に触ったり、吸い込んだだけでも症状がでることもあります。皮膚のかゆみ、じんましん、湿疹が多く認められます。原因物質の摂取後、数分から数十分以内に、口のはれ・かゆみ、腹痛や下痢などの消化器症状、呼吸困難などの症状が現れる激しい急性のアレルギーをアナフィラキシーと呼びます。
 また血圧が低下して脳に酸素がいかなくなる場合をアナフィラキシーショックと呼びます。
 過去にアナフィラキシーを起したことがある場合や、今後起こす可能性が高い場合は、携帯できるアドレナリン自己注射薬(商品名:エピペン)を、医師から処方される場合があります。

 

アレルギー性鼻炎

 アレルギー性鼻炎は、風邪を引いていないのに、水様性の鼻水・鼻づまり・発作性のくしゃみを起します。これらの症状は副交感神経が優位に働く夜(夕)から朝にかけて見られます。ハウスダスト、花粉など吸入性のアレルゲンが大部分で、それらがIgE抗体が結びつき、細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出されてこれらの症状が起こります(即時型反応)。
 予防・治療は、花粉などの抗原回避,抗ヒスタミン薬などによる薬物療法,スギ抗原エキスによる減感作療法などがあります。

 

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