乳肉魚介細菌研究室

主な業務

1.流通食品の細菌検査

 監視指導計画に基づき、都保健所及び食品監視課が収去した大規模製造施設、総合衛生管理製造過程承認施設(HACCP)、問屋業及び輸入業等で取り扱う食品の細菌学的検査を実施しています。検査対象食品は、乳、乳製品、食肉、食肉製品、魚介類、魚介類加工品、魚肉ねり製品、冷凍食品、鶏卵、液卵及びはちみつ等です。食品衛生法に基づいた細菌検査と、食中毒起因菌の検査を行っています。

 国内では、食品の成分について規格が定められています。食品衛生法第11条に基づいて、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年12月27日 厚生省令第52号)と食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月28日 厚生省告示第370号)があります。

東京都内の畜水産食品における食中毒菌分離状況(2019年度)(PDF:798kB)

sokutei  E.coli       細菌数の測定                 E.coliの検査

2.食品製造環境における拭き取り検査

 衛生監視指導の一環で、食肉製品製造工場等の製造環境における拭き取り検体についてリステリア等の検査を行っています。

 食品のリステリア汚染の原因には、原材料中の菌の残存、製造施設内での二次汚染があります。製造施設環境でリステリアを指標菌とした拭取り調査を行うことで、汚染実態の把握と的確な措置が可能となります。                 製造環境の拭取り調査                       

3.苦情食品の検査

 乳・肉・魚介食品で苦情があった場合には、細菌検査を行います。

苦情例:yoghurt

  ・ヨーグルト:液状化、食感が悪い等。

  ・牛乳:固まっている、変色している等。

  ・鶏肉の加熱済み惣菜:腐敗。

  

 

 

4.調査研究

 食品の衛生指標菌や、リステリア・モノサイトゲネス、エルシニア等の食中毒菌、あるいは食品を介した健康被害の可能性のある菌を中心に、試験法等の検討を行っています。

 

・リステリア・モノサイトゲネス

 ヒトや動物に髄膜炎、敗血症、流産などを引きこす人畜共通感染症の原因菌で、健康な成人では、感染しても無症状のまま経過することが多いのですが、妊婦や新生児、免疫力が低下している人では重症化することがあります。

「これからママになるあなたへ 食べ物について知っておいてほしいこと」(PDF:2.36MB)(厚生労働省)

東京都における食品中のListeria monocytogenes検出状況

 

エルシニア

 野生動物や家畜の腸管に存在する細菌で、その糞などで汚染された食肉(特に豚肉)や飲料水などが食中毒の原因となります。腹痛や下痢、発熱を引き起こします。

エルシニアによる集団感染事例と豚肉からのエルシニア検出状況

 

・試験方法の検討

 食品の衛生指標菌や食中毒菌の試験方法の検討を行っています。食品からの微生物標準試験法検討委員会への協力、新たな成分規格の検査方法に要望等を出す場合もあります。

 

 研究年報

食肉中のカンピロバクター検出法の検討(PDF:849kB)

食肉からの基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生大腸菌の検出(PDF:1.06MB)

新たに導入された腸内細菌科菌群試験法の検討(PDF:2.2MB)

食肉等の食中毒菌汚染実態調査における検出状況および試験法の解析(平成21年度~平成27年度)(PDF:1.16MB)

食品細菌自動検査システムDOXを用いた簡易・迅速試験法の検討(PDF:1.17MB)

はちみつの細菌学的調査(平成18年度~平成29年度)(PDF:1.01MB)

東京都都内に流通する野生鳥獣肉(ジビエ)の細菌学的調査(平成28年度~平成29年度)(PDF:944kB)

都内で販売されている自然解凍冷凍食品の細菌学的調査(PDF:1.39MB)

食肉の大腸菌群検査における酵素基質培地の検討(PDF:2.20MB)

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