錠剤、カプセル状等の食品の取扱い

錠剤、カプセル状等の形状の食品については、原材料等の成分が濃縮されるという特性があることから、一定の安全性確保のために、適正な製造工程管理、原材料の安全性確保の面で、取扱いに一層の注意が必要です。これらについては、事業者の責務として、自主的な取組みが期待されているところですが、その取組みを推進するため、厚生労働省では、次のとおり適正な製造に係る基本的考え方及び原材料の安全性に関する自主点検ガイドラインを示しています。

 なお、詳細は所管の保健所にお問い合わせください。

錠剤、カプセル状等食品の適正な製造に係る基本的考え方

趣旨

錠剤、カプセル状等の形状の食品については、原材料等の安全性が確認されていても、濃縮等の工程を経るため、個々の製品の成分に偏りが生じ、必ずしも確認された安全性レベルが保証されない等の可能性があります。このため、製造工程管理により製品の品質確保を図る必要があります。

製造工程管理を行うための3つの観点

製品の品質を確保する適正な製造を行うためには、原材料の受入れから最終製品の出荷までの全工程で、主に作業員、機械等による製造行為に着目した管理(製造管理)と、原材料、中間製品、最終製品の試験等、品質の確認行為に着目した管理(品質管理)を、次の3つの観点から組織的に実施することが重要です。

  1. 各製造工程における人為的な誤りの防止
  2. 人為的な誤り以外の要因による製品そのものの汚染及び品質低下の防止
  3. 全製造工程を通じた一定の品質の確保

製造工程管理の内容

製造工程管理を行うための3つの観点を、適切な管理組織の構築及び作業管理(品質管理、製造管理)の実施(GMPソフト)と、適切な構造設備の構築(GMPハード)とに分けて、基本的な考え方を示すと概ね次のようになります。

管理組織の構築及び作業管理の実施(GMPソフト)

  1. 製造部門から独立した品質管理部門を設置する等、製造及び品質管理のための組織の整備を図ること
  2. 部門、作業工程ごとに責任者を指定し、責任体制を明確にすること
  3. 標準的な規格及び作業手順を文書化し、それに従ってすべての作業を実施すること
  4. 作業工程において複数の人員によるチェックを行い記録すること
  5. 製造記録、保管記録及び出納記録等の各種記録類を整備・保存すること
  6. 製品をロットごとに管理し、製造段階で製造に使用している運搬容器や主要機械等に、取り扱っている製品の品名、ロット番号等の表示を行うこと
  7. 作業室の清掃、機械器具の洗浄等の衛生管理をあらかじめ定めた手順に従って実施すること
  8. 作業員の保持する微生物等により製品が汚染されないよう、常に作業員の衛生健康状態に注意し、必要な場合には作業部署の変更等を行うこと
  9. 作業員以外の者の作業室への立入りを制限すること
  10.   整備、機械器具等を定期的に点検整備(計器の校正を含む。)すること
  11.   製造工程の各段階で品質チェックを行うこと
  12.   出荷後の製品の品質チェックに必要な検体を、適当な条件で保存すること
  13.   製品に対する苦情を含めた必要な情報を収集して、製造管理及び品質管理の改善に役立てること
  14.   製造工程管理の実施状況について定期的に自己点検を行うこと
  15.   総括管理者、各責任者及び作業員等GMPに従事する者全てに対して、教育訓練を計画的に実施すること

構造設備の構築(GMPハード)

  1. 作業室は、作業に支障のない広さを持ち、例えば表示包装作業室では、ラベルの貼り違いを防ぐために異品目の作業台の間に仕切りをしたり、十分な間隔をとる等により、混同等の間違いを防ぐことができるような広さと構造を持つこと
  2. 粉じん等によって製品が汚染されることを防ぐことができること
  3. 作業室を専用化するなど、交叉汚染を防止できること
  4. 作業室の床、壁、天井等の材質は清掃しやすいものであって必要に応じで消毒ができること
  5. 製品の製造に使用する機械器具及び容器等で特に原材料、製品等に直接接触する部分は、製品を変化させない材質のものであり、製造設備は潤滑油により製品を汚染しない構造となっていること
  6. 作業室及び機械設備が、製造工程の順序に従って合理的に配置されていること
  7. 手洗い設備及び更衣室を有すること

 製造工程管理の実施

製造工程管理の実施に当たっては、責任者の設置、基準書類の作成が必要です。各責任者の業務内容や各種基準書類の記載事項等については、製品や製造の実態等に応じて定めます。また、記録の作成、保存も重要です。

責任者の設置

次の責任者を設置します。

  •  総括管理者 : 製造管理、品質管理を総括

(注)学校で医学、歯学、薬学、獣医学、栄養学、畜産学、水産学、農芸化学、化学の課程を修めたもの又は製造管理若しくは品質管理に関する業務に5年以上従事したものであることが望ましい。

  • 製造管理責任者 : 総括管理者の下で、製造管理にかかる部門を担当

(注)品質管理責任者を兼ねないことが望ましい。

  • 品質管理責任者 : 総括管理者の下で、品質管理にかかる部門を担当

(注)製造管理責任者を兼ねないことが望ましい。

基準書類の作成

組織の役割、作業手順、製品の規格等を明確にした書類を作成します。

  • 製品標準書 : 製造工程管理を通じて確保しようとする製品の品質について明らかにするため、製品の本質、製造方法等を規定した基準書類を製品ごとに作成
  • 製造管理基準書 : 原料、資材等の受け入れから最終製品として出荷されるまでの製造、保管等標準的な工程管理の方法を規定した基準書類を製造所ごとに作成
  • 製造衛生管理基準書 : 製造における製品の汚染を防止するため、構造設備の衛生管理及び作業員の衛生管理の方法を規定した基準書類を製造作業を行う場所ごとに作成
  • 品質管理基準書 : 適切な品質管理を行うために重要な要素である検体の採取方法や試験検査の判定方法等品質管理の方法を規定した基準書類を製造所ごとに作成

記録の作成及び保存

食品等事業者の記録の作成及び保存に係る指針(ガイドライン)」(平成15年8月29日食安発第0829001号より抜粋)を参照して、適切に記録の作成、保存を実施します。

GMPを実施した製造工程管理の関係図の一例

GMPを実施した製造工程管理の関係図の一例

製造工程管理、品質工程管理と基準書の関係

 

輸入者の方へ

輸入者の方にあっては、輸入しようとする製品が適正な製造工程管理の下で製造されていることを輸入元等に確認するとともに、製品の情報(原材料、製造所等)、保管方法等の必要事項を記載した書類を作成するなど、国内で製造される製品と同等の品質の確保を図ることが望まれます。

錠剤、カプセル状等食品の原材料の安全性に関する自主点検ガイドライン

趣旨

錠剤、カプセル状等の形状の食品については、原材料の中に天然に微量に含まれる毒性物質も濃縮されているおそれがあり、過剰摂取等による健康被害の発生を防止する観点から、安全性の確保についてはより一層の注意が必要です。「原材料の安全性の確保」については、食品衛生法でも事業者の責務とされており、自主的な取組みが望まれます。

自主点検の考え方

通常、個々の食品の安全性については、それらの長い食経験を通じて担保されているものです。しかし、食経験だけでは安全性を担保できない食品もあります。特に錠剤、カプセル状等の食品については、過剰摂取の可能性があるため、食経験だけで人の健康を害するおそれがないとはいえません。そこで、次のことを基本に、自主点検フローチャート(「錠剤、カプセル状等食品の原材料の安全性に関する自主点検フローチャート」(平成17年2月1日食安発第0201003号)を参考にしながら、一定の安全性点検を行います。

 

  •  原材料の製造に使用される基原原料について、文献検索による安全性・毒性情報等の収集を行う。
  • 食経験に基づいて安全性を担保できない場合等は、原材料等を用いて毒性試験を行う。

なお、この自主点検は、特定の原材料について検討するものです。当該食品の安全性は、この自主点検のみによって、担保されるわけではないことに留意する必要があります。

 

健康食品の取扱いに関するご質問等は、各法令を所管する窓口にお問い合わせください。

 

このページに関する問合せ先:東京都健康安全研究センター企画調整部健康危機管理情報課食品医薬品情報担当
電話:03-3363-3472
FAX:03-5386-7427

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※<at>を@に置き換えてメールをお送りください。

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