室内環境対策(ダニ・カビ)

室内環境対策(ダニ・カビ)

 気管支ぜん息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の中には、ダニのフンやカビなど(いわゆるハウスダスト )を吸い込んで、アレルギー症状を引き起こすものがあります。ダニやカビはどこにでもいるものですが、増えすぎないような環境づくりが大切です。
 ここでは、「1 ダニ対策のポイント」「2 カビ対策のポイント」をお伝えします。

ダニカビポイント

1 ダニ対策のポイント

 ダニは乾燥に弱く、増殖に60%以上の湿度が必要です。ダニを増やさないためには、寝具類は日光や布団乾燥機でよく乾かすことが重要です。また、ダニのフンや死がいもアレルゲンとなるため、じゅうたんや畳の掃除機がけは、ゆっくりノズルを動かしながら吸引することで、ダニだけではなく、ダニのフンや死がいなどのアレルゲンを効果的に吸い取ることが大切です。寝具類は、干した後の掃除機がけが有効です。また、ダニのフンなどのアレルゲンは水で洗い流せるので、寝具類やぬいぐるみは洗える材質のものを選び、定期的に洗います。

以下は、ダニについて詳しく紹介しています。

■ ダニとは

 ダニは節足動物で、昆虫とは遠い親戚、クモとは近い親戚です。体の形態が、クモや昆虫とは違っています(図1)。
 世界で約4万種のダニが知られていて、広く環境中に生育しています。具体的には、動植物に寄生するもの、土中や水中などに生息するもの等、様々な生活様式がみられます。それらの多くは静かに暮らしていますが、一部は私たちの健康に影響を及ぼします。
 私たちの最も身近に生息するものはチリダニで(写真1・2)、体長0.3~0.5ミリメートルと微小なため肉眼では見えません。ダニそのもの・死がい・フンがアレルギー症状(気管支喘息、鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎など)の原因となります。


図1 ダニ・クモ・昆虫の形態の違い


写真1 チリダニ(実体顕微鏡)


写真2 チリダニ(走査電子顕微鏡)

※写真1、写真2・・・提供:東京都健康安全研究センター 環境保健部

■ チリダニが好む場所は

 ダニが生きていくには次の3つの条件が必要です。
(1)餌(えさ):人の垢(あか)やカビ・食べこぼしなど。
(2)潜る場所:畳・じゅうたん・寝具などの狭い隙間。
(3)温湿度:最適温度25~30℃、相対湿度60~80%。

 家庭における居室内は、じゅうたんやソファーなどのダニの潜る所が多く、ダニにとって生育しやすい環境が整っています。特に近年の居室は、気密性が高いため、多量の水分が発生します。浴室や台所での換気が不十分だと、湿度が下がらずに結露がおきやすくなります。湿度が高いとダニの餌となるカビが生育し、ダニが住みやすい環境がつくられます。
 家庭でよく見られるチリダニは高温・多湿な環境(25℃、湿度75%)のもとで卵から成虫になるのに約1ヶ月、メスは2~6ヶ月生存し約100個の卵を産みます。ネズミ算ならぬ“ダニ算”で、短期間に増殖します。年間を通してみられますが、通常、湿度の高い梅雨時に増えはじめ、夏期の7月下旬から9月上旬に最も数が多くなります。

■ ダニのアレルゲンを減らすには

 アレルギーの原因となるダニを減らすには、上記の3条件をできるだけなくすことが重要です。 
具体的にその対策を述べます。
○ 床面の掃除:じゅうたん・畳など床面、およびソファーなどを掃除器で十分吸い(1平方メートル当たり20秒ほど吸引*)、ダニの餌やアレルゲンであるダニやそのフンなどを除く。
*日本アレルギー学会「喘息予防・管理ガイドライン2009」より

○ 寝具の処理:布団などは、晴れた日によく日に干す。干した後にそれらの表面を掃除器で吸う。丸洗いできる毛布や布団を使用する。布団・枕カバーやシーツをこまめに取り替える。

○ ダニの潜ることの少ない素材の使用:床面を板張りやクッションフロア(フローリング)にしたり、布張りのソファーや椅子を合成皮革にする。ダニの通過できない高密度繊維の布団カバーやシーツはダニの防除に有効である*。
*日本アレルギー学会「喘息予防・管理ガイドライン2009」より

○ 乾燥:通気、換気や除湿に努め、室内の湿度を60%以下になるようする。梅雨時には除湿機を使用し、冬でも過剰に加湿器は使用しない。湿度を下げることはカビの予防にもつながる。

○ 整理整頓:チリダニは掃除の行き届かないところで繁殖する。日常的に掃除しやすいように家具類や押入れの整理整頓に心がけ、こまめに掃除する。

2 カビ対策

 カビは、換気不足などの理由で湿度が高くなると発生します。天気の良い日の換気は、湿度を下げるため、カビ予防対策としてもっとも有効な方法です。換気が不足となる押し入れなどの収納スペースでは、スノコを利用することで空気の通り道を作り、換気を促進する方法が有効です。また、梅雨時など気候的に湿度が高まる季節では、除湿機やエアコンのドライ機能を活用し、湿度を下げるのも効果的です。
 住まいの中では、浴室や台所など水蒸気を多く発生する場所があります。これらの部屋や場所には、換気扇が設置されているので、使用後はすぐには止めず、十分換気することを心がけましょう。特に、浴室の湿気対策のため、風呂の水は使用後は抜いておくことが重要です。
 なお、薬剤を利用してカビの除去作業を行う際は、安全のために必ず十分な換気をしてください。また、作業にあたっては、カビ(胞子)が飛散して周りに広がらないように注意して、カビ除去剤(漂白剤)などで除去します。

 以下は、カビについて詳しく紹介しています。

■ カビとは

 カビは、胞子と呼ばれる生殖細胞(植物の種)と栄養分を吸収する菌糸という大きく2つの形態を持ち、環境中の水分と一定量の栄養があれば成長していきます。 目立つくらいに広がった場合、1円硬貨ほどの面積中に、かびの胞子が約1000億個以上存在します。菌糸状態での生育は局所に限定されていますが、胞子は飛散するので、急速に生息範囲が拡大します。
  また、カビの胞子や菌糸自体がアレルゲンになります。胞子は、大きさは1ミリメートルの200分の1から20分の1くらいで、鼻粘膜や気管支などに定着しやすいことが知られています。


写真3 コウジカビ


写真4 黒カビ


写真5 青カビ

※写真3から写真5…提供:東京都健康安全研究センター 微生物部

■ カビが好む場所とは

 カビは水分を必要とするので、居室内では、湿度が高い水まわりや、換気不足で高湿度になりやすい押入などに増殖します。これらの場所に付着したカビは、湿度の条件次第で範囲を広げていきます。

■ カビ予防について

 (1)浴室、洗面所のカビ予防
○ 浴槽のお湯を抜き、最後によく洗う。
○ 浴室の壁や天井や流しなどに石鹸の残り、毛や垢(あか)などを残さないようにする。
 それらはカビの栄養になるので、できればお湯のシャワーでよく流し、最後に水のシャワーで温度を冷やすことがカビ予防になる。
○ 浴室の壁、流し、洗面所の周り、洗濯機の周辺などの水滴を、タオルでよく拭き取る。水滴が残るとそこにカビの胞子が定着しやすくなるため、水分の除去が効果的である。

(2)玄関や靴箱などのカビ予防
○ 靴は、靴箱にしまう前に日陰干しをするなど、水分を蒸発させる。
○ 収納場所の換気をよくする。
○ 長期間収納する場合には、汚れをよく落し、クリームなどで表面を保護し、カビの増殖を防ぐ。

(3)居間(リビングルーム)のカビ対策
○ エアコンフィルターの清掃をこまめにする。
 長期間エアコンを使用しないと、フィルターには相当量のカビが生育しているおそれがある。この場合、使用にともなって胞子が居室内に飛散するので、フィルターについたほこりを除去するなどこまめな清掃が重要である。
○ 目安として年に3~4回、少なくとも、冷房暖房シーズンの変わり目には実施する。

(4)カーペットのカビ対策
 居間などに敷かれたカーペットの掃除が不十分な場合、ほこりとともにカビが増えやすい。カーペットの掃除は、掃除機で吸引ノズルを毛を逆立てる方向に向けて吸引する。
○ 丸洗いできれば、洗濯し、よく乾燥させる。
○ できれば、畳の上にカーペットは敷かない。

(5) 家具類(収納タンス)のカビ対策
○ 家具を壁にぴったり付けると、換気不足となりカビが増えやすい高湿度環境になる。壁との隙間を5センチメートル以上あけて、空気の流れをよくすること大切である。
 

(6) 押し入れ(クローゼット)のカビ対策
○ 押し入れに入れたプラスチック収納ケースの衣類にもカビがつくことがあるので、収納容器の中に乾燥剤を入れると、カビ予防になる。

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このページの担当は 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 環境情報担当 です。

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