ビルにおける受動喫煙防止対策について

平成18年2月17日

 たばこの煙には、浮遊粉じんやニコチン、揮発性有機化合物などの様々な有害物質が含まれています。多数の人が利用する特定建築物においては、受動喫煙防止対策を講じることが望まれます。

 

目次

 

関連法令 

 

1.建築物衛生法と受動喫煙防止対策

 建築物衛生法には受動喫煙防止については規定されていませんが、政令第2条の居室内の空気環境基準には、喫煙等により発生する汚染物質が含まれています。

 

表 喫煙等により発生する汚染物質の管理基準値

項目管理基準値
浮遊粉じん量0.15 mg/m3以下
一酸化炭素(CO)濃度10 ppm以下
ホルムアルデヒド濃度0.1 mg/m3(0.08 ppm)以下

 

2.健康増進法

 健康増進法第25条には、「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理するものは、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない」と規定されています。

 

「職場における喫煙対策のためのガイドライン」(厚生労働省労働基準局長通達 H15.5.9)

新ガイドラインにおいて充実を図った事項は次のとおりです。

  • 非喫煙場所に煙が漏れない喫煙室の設置
  • たばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出(排気設備の設置)
  • 喫煙場所内外の空気環境
    • 浮遊粉じん濃度:0.15 mg/m3以下
    • 一酸化炭素濃度:10 ppm 以下
  • 喫煙室等から非喫煙場所への煙の漏れを防止
    • 喫煙室等と非喫煙場所との境界における喫煙室等に向かう気流の風速:0.2m/s以上

※なお、「東京都受動喫煙防止ガイドライン」の対策も同様です。

 

受動喫煙防止対策の現状

 

1.居室における浮遊粉じん濃度

  特定建築物の居室内における浮遊粉じんの主な発生源は、たばこの煙といわれています。東京都ビル衛生検査班では、建築物衛生法施行当時から立入検査や建築確認申請時指導を通じて、建築物環境衛生管理基準に適合するために必要な能力を有する空気清浄装置の設置や分煙などの指導を行い、浮遊粉じん濃度の低減化に努めてきました。

  図1に示すように、居室内の浮遊粉じん濃度は年々減少する傾向が見られており、その要因として空気清浄装置の性能向上、喫煙者数の減少、分煙の普及、外気の浮遊粉じん濃度の低下などが考えられます。

2.受動喫煙防止対策の実施状況

  受動喫煙を防止するためには全面禁煙が最も望ましい方法です。しかし、成人喫煙率が男性45.8%、女性13.8%(平成17年JT全国喫煙者率調査)の現状では、全面禁煙が難しいため、約9割のビルで分煙を行っています(図2)。

  喫煙対策別では、専用室内に喫煙場所を設ける居室内分煙よりも共用部等の居室外で分煙を行っている施設の方が居室内浮遊粉じん濃度が低く(図3)、居室外分煙は禁煙と同様に有効な分煙対策です。

 浮遊粉じん濃度の推移喫煙対策の実施状況

  

効果的な受動喫煙防止対策

分煙による効果的な受動喫煙防止対策を行う場合には、下記事項に留意することが望まれます。

1.屋外に喫煙場所を設ける場合

  • 多数の人が通行する場所には、喫煙場所を設けない
  • 外気取入口付近には、喫煙場所を設けない

2.屋内に喫煙場所を設ける場合

  • 居室外に適切な区画(密閉区画が望ましい)を設ける
  • たばこの煙に含まれるガス状物質等を屋外へ排出するとともに、煙が非喫煙場所に漏れるのを防ぐため、十分な能力を有する排気設備※を設置する(※調査の結果では、排気風量が500m3/h未満の施設において煙の流出が多く見られています)
  • 空調機を介したたばこの煙の拡散を防ぐため、喫煙場所には還気口を設けない
  • 給気設備や空気清浄機の吹出口は、出入口等から煙が流出しない位置に設置する
  • 喫煙場所の使用時間中は、必ず排気設備を作動する

参考リンク

 

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