漬物の「山ごぼう」とヨウシュヤマゴボウ(有毒)

 「山ごぼうの漬物」として市販されているのは、モリアザミの根やゴボウの細い根を漬けたものです。
名前は同じ「山ごぼう」でも全く別の植物です。





     山ごぼう漬(上)と
          モリアザミの根(下)


 「山ごぼうの物漬」として市販されているのは、モリアザミの根やゴボウの細い根を漬けたものです。
 下の写真のモリアザミの根は、野生品で短く曲がっていますが、栽培品の根は長く伸びます。
    ヨウシュヤマゴボウの地下部
    若い根(上)と古株の根茎(下)


 ヨウシュヤマゴボウには大きな根茎と太い根がありますが、若い根や細い根はゴボウに似ています。みずみずしくて柔らかく、ゴボウのような繊維質ではありません。

ヨウシュヤマゴボウの若葉
        モリアザミ
                  (キク科)

 山地の草原に生える多年草で、草丈0.5〜1mになります。9〜10月頃、枝先に直径3.5〜4cmの頭花を付けます。根は太く、栽培され、「山ごぼう」の名で漬物になっています。


     ヨウシュヤマゴボウ
            (ヤマゴボウ科)
 
ヨウシュヤマゴボウ(別名 アメリカヤマゴボウ)は明治以後に北米から渡来した帰化植物で、空地や道端などでよく見られます。
 草丈は1〜2mになる豪壮な植物で、6〜9月に白い花をつけ、秋には黒紫色の果実を房状に付けます。
 植物全体、特に根や種子に、フィトラッカトキシンを含有するとされ、誤食すると嘔吐、下痢、けいれんなどの中毒症状が起きます。
       誤食を防ぐ注意点
  1. 漬物の「山ごぼう」はモリアザミやゴボウの根です。名前にまどわされないようにしましょう。
  2. 空地や道端で見られるヨウシュヤマゴボウは有毒植物です。細い根はゴボウに似ていますが、食べられません。
  3. モリアザミは山の草原などに見られる植物で都会ではみられません。 
                                 


   ヨウシュヤマゴボウの果実
 黒紫色のブドウの房のような果実を付けます。果実も有毒です。
ヤマゴボウの花

 ヤマゴボウは中国原産の植物といわれ、栽培され、ときに野生化しています。漢方では根を商陸と呼び、利尿薬とされます。花が赤みを帯びる日本原産のマルミノヤマゴウは、山地に自生しています。いずれもヨウシュヤマゴボウと同様、有毒植物ですが、なかなか見ることができない珍しい植物です。

©東京都薬用植物園