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3 製造の流れを簡単に見てみましょう〜2〜

(2)製造工程

【設備の清掃・保守・洗浄】

保管の説明の中で、「清潔な環境を保つことが大切」と書きました。
製造が行われる場所については、これが第一に基本となることです。
ほこりや異物が発生・混入しないよう、最大限の配慮をしてください。

設備・作業室等の清掃については、計画的に実行する必要があります。清掃の頻度や手順、使う清掃器具や洗浄剤は何か。あらかじめ手順書で決めておき、実際そのとおりに行った内容を記録で残します。

製造に関する設備や器具の、日常点検や日常確認を定期的に行います。始業前点検など、行っていますか?

それだけでなく、機械は故障してから修理をするのでは遅いです。故障してしまった機械で製造された医薬品は品質を確保することができません。設備が故障することのないように日頃から保守・点検することが求められます。常に「この設備は大丈夫」と言える根拠を持つのです。そのためには保守計画について事前に予定を立てておき、実行する必要があります。

洗浄については、洗浄がきちんとされているか?前に使った原料が残ったりしていないか?洗浄液が残ったりしていないか?などの内容についてバリデーションを行います。


【作業ルールを守る】

製造作業を行うときの大原則は「製造指図書・SOP・作業ルールに従って作業をする。」ということ、そして「実際の行動内容を記録する。」ということです。

以前、原子力発電所で手順を無視した作業を行った結果、大きな事故が起こったことがありました。
もしも医薬品の製造段階で手順を無視して作業をした結果、製品の品質に重大な影響を与えてしまったら?手順の無視が原因で、病気を治すはずの医薬品で病気になってしまったら?
決してあってはならないことです。

繰り返します。
製造指図書・SOP・作業ルールどおりに作業をすることが必要です。
そしてそのとおりにやったという確認のためにも、実行した行動内容を記録で残すことが必要です。
これは、すべての作業段階において基本になります。

【衛生的に(作業室への入室)】

作業ルールを守るのは、何も製造作業中だけの話ではありません。

例えば些細なことのように思われがちですが、手洗いはどうなっているでしょうか。
作業室へ入る前には手洗いをするでしょう。石鹸などを使った手洗い方法は十分でしょうか。さっき洗ったばかりだからと再入室のときに手洗いを省略したり、簡単に済ませたりしていませんか?手洗いの後、完全に乾燥させず生乾きのまま作業室に入っていませんか?ぬれた手を白衣で拭いたりしていませんか?
こうした行為は、せっかく洗った手に、雑菌が付く原因になります。

一番の汚染源は「人」ですから、手洗いは非常に大切です。
ですが、連日繰り返しやっていること、そして効果が目に見えてわかりにくいこと、こうした物事に対して人はどうしてもおろそかになってしまいがちです。

手洗いだけでなく、作業室へ入るときには、時計やアクセサリーをはずす、頭髪は帽子の中に完全に入れるなど、更衣のルールを細かく決めておきましょう。これらも異物混入・汚染防止という点から大切な内容です。

また、職員の健康状態を把握して、熱があったり咳が出ていたりする人は作業に従事させない、というルールを作ります。健康状態の悪い人が、医薬品の汚染源になってはいけません。あるいは、健康状態が悪ければ集中力が不足し間違いを起こす原因になりかねません。

入室の前のこうしたルールが、衛生面から大切な行動なのです。


【製造工程全般】

毎回の製造作業は製造指図書によって指示されます。製造にあたっては製造指図書の内容と、製造する製品や資材の名称・ロット番号・数量などが合っているかを確認してからスタートします。

製造指図書のとおりに作業し、作業内容を記録に記入します。決められた製造作業手順は十分検討された、現在での最良の方法です。その最良の方法で実行しましょう。実行したことを第三者に証明でき、かつ後でその内容を確認できるのが、製造記録です。

どのロットをどれだけ使用したのか、攪拌時間は何時から何時までだったのか、ラベルは何枚出して何枚使ったのか、いつ誰が作業をしたのかなど、実行した行動すべてを細かく記録に残します。
記録に残すことで正しい作業の証明となり、あるいは後から間違いを発見できる手段にもなります。

繰り返しになりますが、こうした作業は常に決められたSOP・作業ルールを守ること、そして衛生的に作業を行うことが求められます。


【ダブルチェック】

例えば原料の秤量はダブルチェックを行います。量り間違いがあって本来の分量の10倍量が入ってしまったら、大変なことですね。試験検査でわかるからいいのではないか、という理論は通用しません。試験検査の段階で間違いが起こらないとは断言できませんし、起こりうる間違いに対しては、起こらないようにあらかじめ対応しておくことが基本です。

こうしたダブルチェックは、何も秤量だけの話ではありません。
ラベル表示の確認行為などでもダブルチェックは大切です。

例えば、表示ラベルを貼る人が正しいラベルを用意したかチェックする、完成したら正しいものが製品に貼られているか別な人がチェックするという方法もあります。
ラベルを払い出した数・使った数・戻した数を確認し、ラベルを貼った容器等の数とラベル使用数との間にずれがないことを確認することで、ラベルの貼りもれを防ぐこともできます。


【品質部門への報告】

製造行為が行われたら、製造作業の結果を品質部門へ報告します。
そして、次に製品の中身について試験検査を行うことになります。


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健康安全研究センター広域監視部薬事監視指導課