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東京都健康安全研究センター
研究年報 第56号(2005) 和文要旨

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II 医薬品に関する調査研究

 アトピー治療薬を標榜する無許可医薬品の分析
蓑輪 佳子,岸本 清子,守安 貴子,重岡 捨身,安田 一郎
アトピー性皮膚炎治療を標榜した無許可医薬品から,副腎皮質ホルモンのプロピオン酸クロベタゾールと抗真菌剤ケトコナゾールを検出した.販売業者から収去した製品と購入者から任意提供された製品の同一性を検証するために,2成分同時分析のHPLC/PDAによるパターン分析を行い,主成分だけでなく,基剤由来成分,不純物からも各製品間の同一性を確認した.また,無許可医薬品に含有されているケトコナゾールとケトコナゾール標準品との光学純度に差はないことが認められた.
無許可医薬品,プロピオン酸クロベタゾール,ケトコナゾール,HPLC/PDA,パターン分析,光学異性体,旋光度,アトピー性皮膚炎
東京健安研セ年報 56,47-51,2005
 
 色素沈着治療剤中のヒドロキノンの安定性
岸本 清子,蓑輪 佳子,守安 貴子,重岡 捨身,安田 一郎
色素沈着症の治療薬として汎用されるヒドロキノン含有軟膏剤はヒドロキノンが容易に酸化され,褐色変化するなど安定性確保に配慮を要する製剤であると言われている.そこで今回,組成の異なるヒドロキノン軟膏を試作し,安定性試験(長期保存及び加速試験)を行った.その結果,いずれの製剤も通常設定される貯法である冷暗所では,24週でヒドロキノン含有量の低下や外観変化は見られなかった.しかし,温度(25°C,40°C)及び光照射による加速条件保存下では顕著なヒドロキノン含量の低下及び色調変化等が観察された.
色素沈着治療剤,軟膏剤,ヒドロキノン,安定性,長期保存試験,加速試験,高速液体クロマトグラフィー,赤外吸収スペクトル
東京健安研セ年報 56,53-58,2005
 
 4種の知事指定薬物の分析法とスペクトルデータ
長嶋 真知子,瀬戸 隆子,高橋 美佐子,鈴木 仁,安田 一郎
平成17年4月1日より,いわゆる「脱法ドラッグ条例」—東京都薬物の濫用防止に関する条例—が制定され,2C-I,MBDB,5-MeO-MIPT及び3CPPが知事指定薬物に指定された.これら知事指定薬物の融点,UV,IR,NMR,HR-TOF-MS,EI-MS,ESI-MSの測定データのほか,薬物のTLC,LC-PDA,イオンクロマトグラフィー,GC,GC-EI-MS,LC-ESI-MSの分析条件について報告する.
2C-I,MBDB,5-MeO-MIPT,3CPP,知事指定薬物
東京健安研セ年報 56,59-64,2005
 
9 ダウナー系脱法ドラッグの分析
高橋 美佐子,鈴木 仁,長嶋 真知子,瀬戸 隆子,安田 一郎
ダウナー系ドラッグに用いられる薬物7種について,一斉迅速分析法を検討した.これらは,ガンマーブチロラクトン(GBL),1,4-ブタンジオール,ガンマーバレロラクトン,ガンマーヒドロキシ酪酸ナトリウム(GHB-Na,H.13.11麻薬指定),塩酸ケタミン,塩酸メチルフェニデート,臭化水素酸デキストロメトルファンで,向精神薬,麻酔薬及び麻薬類似薬物などである.脱法ドラッグの確認試験は,通常2種類以上の方法で行っている.そこでGC,GC/MS及びHPLCを用いて,有効な試験法が得られた.ただし,GHBは熱分解しやすいため,HPLCにより分析した.この試験法を用いて市販品を分析した結果を報告する.
麻酔薬,脱法ドラッグ,ダウナー系ドラッグ,ガスクロマトグラフィー,ガスクロマトグラフィー/質量分析法,液体クロマトグラフィー
東京健安研セ年報 56,65-68,2005
 
10 知事指定薬物の純度測定及び不純物の推定構造
鈴木 仁,瀬戸 隆子,長嶋 真知子,高橋 美佐子,奥本 千代美,安田 一郎
平成17年4月施行の「東京都薬物の濫用防止条例」基づき,9月までに4種の知事指定薬物が指定された.知事指定薬物の検討段階での生体影響評価試験の際に,不純物が試験結果に影響を与えないような純度の高い標準品が必要であった.これらの薬物の純度及び塩類としての存在形態を明らかにするために,各種機器分析を行った.イオンクロマトグラフィーでは,塩類の存在形態が明らかになった.HPLC及びNMR分析では,すべての薬物で純度90%以上と算出された.また,微量の不純物について化学構造を明らかにすることを試みた.
知事指定薬物,純度,不純物,薄層クロマトグラフィー,イオンクロマトグラフィー,ガスクロマトグラフィー,高速液体クロマトグラフィー,核磁気共鳴スペクトル
東京健安研セ年報 56,69-74,2005
 
11 平成15年・16年の脱法ドラッグ試買調査と検出薬物の同定
瀬戸 隆子,高橋 美佐子,長嶋 真知子,鈴木 仁,安田 一郎
平成15,16年度に都薬事監視部門が都内で買い上げた脱法ドラッグ100検体から31種のケミカル系脱法ドラッグを検出した.このうち21種は東京都では初めて検出した薬物であり,1H-NMR,13C-NMR,LC/PDA,LC/MS(ESI),HR/LC/MS(ESI),GC/MS(EI),TLCを適宜組み合わせて分析し,構造を同定した.最近,2,3成分を同時に含む製品が多くなり,今回20通りの組み合わせで,30製品が見出された.表示が不正確な現状も明らかになった.
脱法ドラッグ,化成品薬物,核磁気共鳴スペクトル,液体クロマトグラフィー/質量分析,ガスクロマトグラフィー/質量分析,薄層クロマトグラフィー,液体クロマトグラフィー/フォトダイオードアレー,同定
東京健安研セ年報 56,75-80,2005
 
12 ダイエット健康食品中に含有される医薬品の検索法と健康被害を起こした「天天素清脂胶嚢」への適用
守安 貴子,蓑輪 佳子,岸本 清子,重岡 捨身,門井 秀郎,安田 一郎
ダイエットを目的とした健康食品に含有される可能性のある医薬品は,食欲抑制剤,代謝機能亢進剤,瀉下剤等様々である.こうした医薬品の検索法について,薄層クロマトグラフィー(TLC),液体クロマトグラフィー/フォトダイオードアレイ(HPLC/PDA)を用いて検討した.本法を,H17年6月に健康被害を引き起こした「天天素清脂胶嚢」に適用し試験したところ,良好な結果が得られたので,あわせて報告する.
健康食品,ダイエット,食欲抑制剤,代謝機能亢進剤,瀉下剤,利尿剤,薄層クロマトグラフィー,液体クロマトグラフィー/フォトダイオードアレイ,天天素清脂胶嚢
東京健安研セ年報 56,81-86,2005
 
13 セントジョンズワートを含有する健康食品中のヒペリシン及びヒペルフォリン含量
浜野 朋子,塩田 寛子,中嶋 順一,安田 一郎
セントジョンズワート(SJW)中の抗うつ作用成分であるヒペリシン及びヒペルフォリンについて,HPLCによる定量法を検討した.これを用い,SJW含有健康食品40種を分析した結果,両成分とも大きくばらつき,特にヒペルフォリンで顕著だった.また,定量値をもとに成分の1日最大摂取量を算出したところ,製品の8割以上がヨーロッパで用いられる医薬品と同等又はそれ以上の含量を有することが判明した.成分含量のばらつきは,抗うつ作用や医薬品との相互作用の発現に差異を生じ,かえって健康被害を招く恐れがあると考えられる.
セントジョンズワート,ヒペリシン,ヒペルフォリン,含有量,摂取量,高速液体クロマトグラフィー,健康食品,抗うつ作用,薬物相互作用
東京健安研セ年報 56,87-91,2005
 
14 多孔性ケイソウ土カラムカートリッジを用いた生薬残留農薬分析における迅速前処理法の検討
中嶋 順一,浜野 朋子,塩田 寛子,安田 一郎
生薬の農薬試験に際し,迅速に試験液を得る目的で市販ケイソウ土カートリッジを使用した抽出法(A)と液液分配法(B)を比較した.Aの溶出溶媒はn-ヘキサンとし,その量は200 mLとした.今回Aの負荷溶液中の残存アセトンが測定値のばらつきの原因と判明したことから,この点に注意し,AとBの比較を実施した結果,回収率,含量,精度において同等であり,Aは良好な精度管理可能な分析方法であった.Aはエマルジョンが形成されず,多数の試料が迅速に処理できることから生薬の残留農薬試験に際し,有用性が高いと考察した.
迅速前処理,多孔性ケイソウ土カラムカートリッジ,生薬,残留農薬,有機塩素系農薬ピレスロイド系農薬,電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフ,繰り返し精度
東京健安研セ年報 56,93-97,2005
 
15 走査型電子顕微鏡によるサプリメント中のエキナケア属植物の鑑別
荒金 眞佐子,福田 達男,吉澤 政夫,鈴木 幸子,森本 陽治,浜野 朋子,福森 信隆,安田 一郎
健康食品として用いられるエキナケアは,国内では原料植物が知られていないため,エキナケア属植物3種を導入後育成し,走査型電子顕微鏡(SEM)による葉面上の毛状突起の観察を行った.国内で市販されている5種類のハーブサプリメント(ハーブティー)中の葉部をSEMにより観察したところ,そのうち4種類についてはエキナケア属植物の葉部であることが確認されたが,1種類は葉面上の形態が今回調査したエキナケア属植物とは異なったため,エキナケア属植物由来ではないことが明らかになった.
エキナケア,鑑別,走査型電子顕微鏡(SEM),ハーブサプリメント
東京健安研セ年報 56,99-104,2005
 
16 化粧品及び医薬部外品中の紫外線吸収剤同時分析法
横山 敏郎,森 謙一郎,中村 義昭,寺島 潔,大貫 奈穂美,荻野 周三
医薬部外品及び化粧品に配合される紫外線吸収剤は製品の種類または使用目的により配合量が制限されている.紫外線吸収剤は種類が多いため,簡便な同時分析法が求められる.筆者らは紫外線吸収剤の分析法を以前に報告したが,今回新たなポジティブリスト掲載紫外線吸収剤を加えて,12種類の紫外線吸収剤の同時分析法を検討したので報告する.本法により市販紫外線吸収剤配合製品を分析したところ,妨害物質の影響もなく,高精度の結果が得られた.
紫外線吸収剤,医薬部外品, 化粧品, 同時分析
東京健安研セ年報 56,105-110,2005
 
17 医薬部外品及び化粧品中感光素類の同時分析法
森 謙一郎,中村 義昭,大貫 奈穂美,寺島 潔,横山 敏郎,荻野 周三
医薬部外品,化粧品中の5種の感光素類,感光素101,201,301,401及びプラルミンの同時分析法を作成した.試料約1 gにメタノールを加え,超音波浴で15分間分散後5 mLとした.上澄液を0.45 µmフィルターでろ過後,遮光保存した.HPLC条件はカラム:ODS,移動相(アセトニトリル - 0.05 molトリエチルアミン,0.1 molリン酸):(25:75)から(80:20)のグラジェント,注入量:20 µL,定量:フォトダイオードアレイ検出器.本法は汎用部外品,化粧品成分による影響を受けなかった.添加回収率は95.0〜102.0%,C.V.(%) 0.7〜3.8であった.
化粧品,医薬部外品,感光素,感光素101,感光素201,感光素301,感光素401,プラルミン,液体クロマトグラフィー
東京健安研セ年報 56,111-115,2005
 
18 化粧品に配合される新規染毛用色素の分析法
大貫 奈穂美,中村 義昭,森 謙一郎,寺島 潔,横山 敏郎,荻野 周三
染毛用化粧品中の新規染毛用色素についてHPLCを用いた分析法の検討を行った.その結果,計20種の新規染毛料色素を40分以内に分析することが可能であった.各成分の検出限界濃度は0.25〜2.5 µg/mL,保持時間の変動係数は1.6%以下であった.本法を市販製品の試験に適用したところ,剤型に関わらず簡便な試験溶液の調製で効率的に新規染毛用色素の分析が可能であった.本法を用い10種の市販毛髪用化粧品を分析したところ良好な結果を得た.市販品には日本ヘアカラー工業会の自主基準リストに収載されていない色素が含有されている製品もあった.
高速液体クロマトグラフィー,化粧品,染毛用色素,セミパーマネントヘアカラー
東京健安研セ年報 56,117-121,2005
 
19 蛍光X線分析法によるてんか粉中の酸化亜鉛の分析
中村 義昭,森 謙一郎,寺島 潔,大貫 奈穂美,横山 敏郎,荻野 周三
てんか粉中の酸化亜鉛の成分である亜鉛について,蛍光X線分析法を用いて測定した.てんか粉1 gとセルロースパウダー2 gを混和してブリケットを作成し,蛍光X線分析で分析した.蛍光X線条件は次のとおりである.ターゲット:ロジウム,電圧:50 kV,電流:50 mA,分光結晶:フッ化リチウム200,検出器:シンチレーションカウンター,スペクトル:亜鉛Kα.てんか粉に酸化亜鉛を加えた際の回収率は97.9〜100.9%で,定量限界は0.005%であった.本法により市販製品11検体を検査したところ9検体から2.0〜10.3%の酸化亜鉛を検出した.他の成分による妨害はなく,高精度に分析できた.
酸化亜鉛,てんか粉,蛍光X線分析装置,医薬部外品
東京健安研セ年報 56,123-126,2005

今号のタイトル一覧

I 感染症に関する調査研究 和文要旨
III 食品等に関する調査研究 和文要旨