トップページ  研究年報トップ 今号のトップ タイトル一覧        English

東京都健康安全研究センター
研究年報 第54号(2003) 和文要旨

凡例
タイトル
著者
和文要旨
キーワード
掲載ページ

IV 生活環境に関する調査研究

49 室内空気中化学物質の実態調査(可塑剤,殺虫剤及びビスフェノールA等)    −平成13年度−
斎藤 育江,大貫 文,瀬戸 博,上原 眞一,加納 いつ
東京都内の住宅,オフィスビルの室内空気及び外気について, 23種類の半揮発性有機化合物を測定した.その結果,室内空気中からフタル酸エステル類を含む可塑剤11種,有機リン系農薬2種,ペルメトリン,クロルデン類,フェノブカルブ,ビルフェノールA及びベンゾ(a)ピレンが検出された.室内で高頻度に検出された主な物質の最高濃度は,フタル酸ジ-n-ブチル4.3 µg/m3,フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 1.4 µg/m3trans-クロルデン9.6 ng/m3,ビスフェノールA 8.1 ng/m3,ベンゾ(a)ピレン 3.1 ng/m3であった.測定対象物質のうち,厚生労働省の室内濃度指針値が設けられている5物質については,指針値を超えるケースは無かった.
室内空気,外気,フタル酸エステル類,ビスフェノールA,ベンゾ(a)ピレン,有機塩素系殺虫剤,ペルメトリン,可塑剤,半揮発性有機化合物,内分泌かく乱化学物質
東京健安研セ年報 54,253-261,2003
 
50 室内空気中化学物質の実態調査(ホルムアルデヒド及び揮発性有機化合物)    −平成13年度−
大貫 文,齋藤 育江,瀬戸 博,上原 一,加納 いつ
都内の住宅,オフィスビル及び周辺外気について,ホルムアルデヒドと揮発性有機化合物,計9物質の空気中濃度を調査した.夏期及び冬期の調査結果から,ほとんどの物質は夏期の方が高濃度であった.最大値は,ホルムアルデヒド202 µg/m3及びパラジクロロベンゼン2,260 µg/m3で,指針値を超えていた.中には健康被害を訴える居住者がおり,その症状は,目や喉の痛み,頭痛などの他,咳や鼻水が出る,ジンマシンを発症するなど多様であった.調査した9物質は,症状の訴えがなかった住宅の方が,高濃度になるケースが多く見られた.
ホルムアルデヒド,揮発性有機化合物,パラジクロロベンゼン,室内空気,外気
東京健安研セ年報 54,262-268,2003
 
51 加熱脱着法による室内空気中フタル酸エステル類,有機リン酸エステル類及び有機リン系殺虫剤の分析法
岡本 寛,川本 厚子,有賀 孝成,押田 裕子,安田 和男
少量の空気試料で測定でき,分析操作が簡易な固体吸着−加熱脱着−gc/ms法によるフタル酸エステル類,有機リン酸エステル類及び有機リン系殺虫剤を一括して測定できる分析法を検討した.捕集管にpegを添加すること及びtct装置をスプリット注入することにより,検量線は安定し,高濃度まで直線性を示した.ほとんどのフタル酸エステル及び有機リン酸エステルはシリル化石英ウールを吸着剤として使用することにより妨害物質の影響を無くすことができた.tmp,dmp,dep及び有機リン系殺虫剤は吸着剤としてtenax-taを用いることで良好な結果が得られた.
加熱脱着,フタル酸ジブチル,フタル酸ジ-2-エチルヘキシル,リン酸トリ-n-ブチル,リン酸トリクレジル,ダイアジノン,クロルピリホス,室内空気,定量法,ガスクロマトグラフ/質量分析計
東京健安研セ年報 54,269-274,2003
 
52 伊豆大島の水道原水の化学成分濃度および特性
栃本 博,関山 登,瀬戸 博,真木 俊夫
伊豆大島の17地点の水道原水としての地下水の水質を39項目について調査した.水質はヘキサダイアグラムによりNaCl型,Ca(HCO3)2型,CaCl2型,MgCl2型の4種類に分類され,火山と海水の両方の影響が認められた.相関分析により火山活動との関連を示す項目(水温,ヒ素,ホウ素,重炭酸イオン,溶性ケイ酸,カリウム)と海水の影響を示す項目(塩素イオン,蒸発残留物,電気伝導度)に分けられた.水質基準より高く検出された項目は,ヒ素,ホウ素,塩素イオン,硬度,蒸発残留物などであった.
地下水,化学成分,水道原水,ヒ素,ホウ素,伊豆大島,火山
東京健安研セ年報 54,275-282,2003
 
53 遊泳用屋内プールの水及び空気中トリハロメタン調査
有賀 孝成,川本 厚子,岡本 寛,押田 裕子,安田 和男
東京都多摩地区に立地する遊泳用屋内プールを対象として,プール水及び室内空気中のトリハロメタンを調査した.プール水中の総トリハロメタンは4.6〜112.1 µg/L(中央値41.9 µg/L)の範囲であった.クロロホルムが最も高く4.0〜108.8 µg/L(中央値39.5 µg/L)であり,総トリハロメタンに占める割合は61.1〜98.0%(中央値95.6%)であった.室内空気中のクロロホルムは47.3〜281.9 µg/m3(中央値82.8 µg/m3),ジブロモクロロメタンは0.1〜6.1 µg/m3(中央値0.30 µg/m3)の範囲であった.空気中のクロロホルムはプール水中のクロロホルムとの間に相関関係が認められた.
トリハロメタン,クロロホルム,揮発性有機化合物,屋内プール,プール水,室内空気
東京健安研セ年報 54,283-289,2003
 
54 水道原水・浄水等における原虫類並びに糞便汚染指標細菌類調査結果(平成14年度)
保坂 三継,勝田 千恵子,榎田 隆一,瀬戸 博
平成14年度年に採取した水道原水,浄水等,多摩川河川水等における原虫類及び原虫汚染の指標となる糞便汚染指標細菌の調査結果を取りまとめた.浄水と雑用水及び4類感染症患者発生に伴う飲料水(タンク水)からは原虫類不検出だった.多摩地区及び島嶼の水道原水から昨年に引き続いて原虫類が検出され,確実な浄水処理を継続する必要性が示された.また宮城県内の水道原水や多摩川下流の河川水における検出数は平成11年度〜12年度に比べて少なく,汚濁原因となっている下水放流水の水質改善による効果と考えられた.
クリプトスポリジウム,ジアルジア,原虫,水道水,水道原水,表流水,多摩川,糞便汚染指標細菌
東京健安研セ年報 54,290-295,2003
 
55 都市環境水におけるレジオネラ属菌の生息実態と共存生物調査(平成14年度)
勝田 千恵子,保坂 三継,榎田 隆一,瀬戸 博
平成14年度に水質研究科に搬入された水試料341件についてレジオネラ属菌検査を行った.冷却塔水176件中78件,給湯水107件中11件,消防用水14件中3件,浴槽水13件中4件,温泉浴槽水7件中6件及びその他の都市環境水24件中1件からそれぞれレジオネラが検出された.レジオネラと共存生物との関係についても調査した結果,アメーバ類がレジオネラの増殖に関与していることが示唆された.それ以外の共存生物では特に原生動物の検出率が高かった.また,レジオネラの生息に一般細菌及び大腸菌群との関連性は特に見いだせなかった.
都市環境水,レジオネラ属菌,冷却塔,給湯,温泉,アメーバ類
東京健安研セ年報 54,296-300,2003
 
56 水試料から検出されたレジオネラ属菌の分類
榎田 隆一,保坂 三継,勝田 千恵子,瀬戸 博
分離頻度の低いレジオネラ属菌に注目してその出現状況を調査した.平成13年度は冷却塔水から11件(5.6%)のL.bozemaniiが,平成14年度は冷却塔水からL.gormanii及びL.bozemaniiが1件(1.3%)ずつ,循環式給湯水からL.bozemaniiが1件検出された.ここで少数分離されるレジオネラがどの程度の感染力をもつかはまだ明らかになっていないが,レジオネラ属菌は基本的にすべての菌種が病原性を有するといわれることから,引き続き環境水中での存在状況を明らかにしていく必要がある.
生活用水,レジオネラ属菌,レジオネラ ボゼマニィ,レジオネラ ゴルマニィ
東京健安研セ年報 54,301-302,2003
 
57 多摩地域に所在する高齢者施設を対象とした細菌調査(平成14年度)
楠 くみ子,岩谷 美枝,石上 武,遠藤 美代子,畠山 薫,奥野 ルミ,向川 純,関根 和美,恵本 温子,笠倉 賢治,横山 克弘,山岸 久美子,矢野 一好
平成14年度課題別地域保健推進プラン「社会福祉施設等(高齢者施設)における感染症対策」として多摩地域に所在する高齢者施設を対象とした細菌調査を実施した.冷却塔水からは,レジオネラ属菌 50%,抗酸菌 37.5%,浴槽水からは,レジオネラ属菌 33.3%,抗酸菌 29.2%,緑膿菌 37.5%,セラチア 4.2%,MRSA 8.3%を検出した.給湯水からは,レジオネラ属菌及び抗酸菌は検出されなかった.また,食堂,浴室,トイレ等の設備を対象とした拭き取り検査を実施し,緑膿菌,セラチア,MRSAを低率ながら検出した.
高齢者施設,冷却塔,浴槽水,施設環境,レジオネラ属菌,抗酸菌,緑膿菌,セラチア,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
東京健安研セ年報 54,303-308,2003
 
58 病院内の環境汚染菌調査    −2病院における測定成績−
狩野文雄
2002年3月と7月及び2003年1月に,A及びBの一般病院2施設で,空気中の浮遊細菌と椅子や床などの付着細菌について,人の集まる待合室を中心に調査した.浮遊細菌はエアーサンプラーにより採取し,付着細菌はスタンプ法により採取した.菌種の同定は,レプリカ法を応用して行った.さらに,浮遊塵埃数を自動粒子計測器で測定し,在室者数との相関を調べた.その結果,粒子径5ミクロン以上の塵埃数と浮遊細菌数が有意の相関をもつこと,同定された細菌種には,人に由来する環境細菌が大半を占めることなどが判明した.日常の環境調査に,5ミクロン以上の浮遊塵埃数が浮遊細菌数のモニターに代替えできることが示唆された.
レプリカ法,浮遊細菌,付着細菌,総合病院,待合室,浮遊塵埃
東京健安研セ年報 54,309-314,2003
 
59 東京都内6地点における大気中微小粒子PM2.5の有害元素について
栗田 雅行,大橋 則雄,上原 眞一
大島,青梅,小平,町田,大田及び足立において,平成13年1月から14年4月の毎月大気中微小粒子PM2.5を採取しその有害元素を調査した.PM2.5質量濃度は,大島が最低値,足立が最高値,その他の地点がその中間的な数値であった.直ちに問題となるような高濃度の有害元素はなかった.Zn,Cd及びPb濃度は,地点間に予測された濃度勾配がみられ,かつ0.85以上の相関係数であった.これらの有害元素は廃棄物焼却を主な発生源とするので,本調査は廃棄物焼却に由来したPM2.5による大気汚染を示唆する.
粒子状物質,空気力学的粒径,微小粒子(PM2.5),有害元素,大気
東京健安研セ年報 54,315-318,2003
 
60 多摩地域における井戸水中の重金属類の実態調査
稲葉 美佐子,鈴木 俊也,小西 浩之,中川 順一,五十嵐 剛,宇佐美 美穂子,安田 和男
重金属類の分析を多摩地域井戸水204件について,ICP-MS法で行った.その結果Cu,Mn,Cr,Cu,Zn,Pb,As,SeおよびSbの各検出率が95%以上であり,基準値または指針値を越えた金属の検出率はFe 5%,Mn 1.5%,Zn 1%,Cd 0.5%およびSb 1%であった.今回初めて調査したUの検出率は8%であり,その最高濃度は1.2 µg/Lであった.また,測定感度を高める簡易な濃縮法として,最近開発されたキレートディスクを用いたICP-AS法を試みたところ,ICP-MS法と比較的良好な相関が認められたのはMn,Fe,CuおよびZnであった.
重金属,井戸水,実態調査,多摩地域,ICP質量分析法,ICP発光分光分析法,キレ−トディスク
東京健安研セ年報 54,319-322,2003

今号のタイトル一覧

III 食品等に関する調査研究 和文要旨
V 毒性に関する調査研究 和文要旨