トップページ  研究年報トップ 今号のトップ タイトル一覧        English

東京都健康安全研究センター
研究年報 第54号(2003) 和文要旨

凡例
タイトル
著者
和文要旨
キーワード
掲載ページ

総説

 アニサキス症と天然物由来の有効化学物質の検索
村田 以和夫
回虫の駆虫薬サントニン・カイニンサン,マラリアの治療薬キニーネ・アルテミシニン(中国名:青蒿素・チンハウスー)などは天然の植物に由来し,化学的に製剤化され今日広く使用されている.化学合成された駆虫薬も日本住血吸虫の治療薬プラジカンテル,マラリアの治療薬クロロキンなど優れたものも多いが,魚介類の生食によって感染するアニサキスに対する駆虫薬は未だ開発されていない.胃アニサキス症では内視鏡により虫体を摘出できるが,腸アニサキス症では外科手術を要する症例が多くある.1997年以来アニサキスを駆虫できる薬物を見出そうと,漢方・生薬およびスパイス類に狙いを絞って,190種類以上のスクリーニングを行った結果,ショウガ科クルクマ属の植物からアロタメロンという化合物が有望であることが分かってきた.これらのスクリーニングの手法について,経験に基づいて解説した.
アニサキス症,殺幼線虫化合物,天然生薬からの検索
東京健安研セ年報 54,3-10,2003
 
 ウイルス性食中毒
林 志直
ノロウイルスはウイルス性食中毒の最も重要な病原物質であり,1997年に食品衛生法の食中毒起因物質に追加された.感染経路として,ウイルスによる水環境の汚染を原因とする二枚貝へのウイルスの蓄積と,ウイルス感染した調理者を原因とする二系統が考えられている.近年は,食中毒原因食品に二枚貝が含まれず調理者による食品汚染を示唆する事例の増加が著しい.保育園,高齢者施設等における集団発生が多発傾向にあり,患者から排泄された糞便,吐物等の処理に際してウイルス汚染を広げないこと,ウイルス不活化を充分に行うことが重要と考えられた.
ウイルス性胃腸炎,集団発生,ノロウイルス
東京健安研セ年報 54,11-15,2003
 
 農産物中の残留農薬
永山 敏廣
簡易で迅速な食品中の残留農薬試験法について検討した.これら試験法を用いて,種々の市販農産物中の農薬残留実態を調査したところ,有機リン系,ピレスロイド系など種々の農薬が検出された.果実に残留した農薬について,果皮及び果肉中の濃度を比較した.有機塩素系及び有機リン系農薬は,果肉への移行がほとんど見られなかった.果皮及び果肉の濃度比は,農薬の水への溶解度と密接な関係があった.原材料中の農薬は調理加工に伴い減少した.農薬が調理済み食品に残存する割合は,Kowと密接な関係が認められ,高い相関性が示唆された.
農産物,残留農薬,分析法,果皮,果肉,調理,オクタノール・水分配係数,回帰式
東京健安研セ年報 54,16-24,2003

今号のタイトル一覧

VII 精度管理に関する調査研究 和文要旨
I 感染症に関する調査研究 和文要旨