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東京都立衛生研究所 研究年報 第53号(2002) 和文要旨

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I 感染症に関する調査研究

 Norwalk-like virus(NLV)感染症    −東京都における検査と解析−
佐々木 由紀子,村田 以和夫,関根 大正,林 志直
ノーウォーク様ウイルス(Norwalk-like viruses 以下,NLVと略す)は急性胃腸炎を主症状とする食品媒介感染症の原因ウイルスである.NLVは食品の中で増殖することはないが,感染したヒトの小腸上皮細胞内で増殖し糞便と共に生活環境中に排出され食品を汚染している.東京都では遺伝子検査法を早くから実施し,NLVによる急性胃腸炎の実態把握に努めてきた.本報では, 健康被害が多く発生しているNLV感染症について,東京都における検査法と健康被害の実態について概説した.
ノーウォーク様ウイルス,小型球形ウイルス,胃腸炎
東京衛研年報 53,3-9,2002
 
 イヌ回虫卵添加キムチからの効率的な虫卵検査法の検討
村田 理恵,鈴木 淳,柳川 義勢,村田 以和夫
 白菜キムチから回虫卵を簡便で効率的に回収する方法を検討し,エーテルによる脱脂操作とLaureth-12溶液または消泡剤添加Tween80・クエン酸緩衝液の使用を組合せた方法が,回収率が高くばらつきも小さいため効率的であることを明らかにした.また,キムチ漬け汁中のイヌ回虫卵の発育状態を観察した結果,発育速度は遅いが生存,発育し,幼虫包蔵卵は相当期間感染力を保持していた.ヒト回虫卵においても同様のことが推察され,キムチが回虫症の感染源となりうることが示唆された.
イヌ回虫卵,浮遊法,回収率,生存期間,キムチ
東京衛研年報 53,10-13,2002
 
 多摩地域における入浴施設水のレジオネラ属菌汚染緊急調査とその対策事例(平成13年度)
楠 くみ子,岩谷 美枝,花岡 暭,石上 武,矢野 一好
平成14年1月,都内の公衆浴場浴槽水に生息していたレジオネラ属菌が原因と疑われる死亡事例が発生した.これを契機に,多摩地域の公衆浴場浴槽水のレジオネラ属菌汚染緊急調査を行った.初回の調査で2 CFU/100 mL以上検出されたのは31.1%(82/264件)であった.分離されたレジオネラ属菌を同定したところ,全てL.pneumophilaでその血清群は6群,5群,1群の順に多かった.検出された施設は改善対策を実施後再調査し,最終的に90.2%の施設がレジオネラ属菌不検出となった.塩素処理の強化や浴槽水の洗浄,換水だけでは不十分で,配管・ろ過器の洗浄・消毒が有効であった.
レジオネラ属菌,公衆浴場,浴槽水,循環式浴槽,一般細菌,大腸菌群,塩素処理
東京衛研年報 53,14-19,2002
 
 魚介類におけるウイルス検出法の検討およびウイルス分布の検討
新開 敬行,森 功次,吉田 靖子,野口 やよい,林 志直,佐々木 由紀子,貞升 健志,中村 敦子,山崎 清,村田 以和夫,諸角 聖
近年,小型球形ウイルスをはじめ腸管系ウイルスやA型肝炎ウイルス等を原因とするウイルス性疾患が急増している.これまで我が国の魚介類におけるウイルスの挙動や実態はほとんど把握されてこなかった.そこで,魚介類を中心としたウイルス検査方法の確立を目的として,食品の前処理法,ウイルスの抽出法等の検出条件を検討した.その検査法を用いて魚介類におけるウイルス汚染実態調査を行った結果,国内産・外国産に偏りもなく,二枚貝を中心とした市販流通魚介類の約20%がウイルスの汚染を受けていたことが明らかとなった.
小型球形ウイルス:A型肝炎ウイルス,腸管系ウイルス,魚介類
東京衛研年報 53,20-24,2002
 
 東京都内におけるヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体検査受診者のC型肝炎ウイルス(HCV)抗体検査成績(2001年)
貞升 健志,山崎 清,中村 敦子,新開 敬行,村田 以和夫,諸角 聖
2001年5月から10月にかけて,23区保健所及び島しょ保健所にてエイズ抗体検査を受診した者のうち,HCV抗体検査の希望者に対し無料で検査が行われた.6ヶ月間で,1,527例の検査を実施し,71例(4.7%)がHCV抗体陽性を示した.段階希釈法により抗体価を測定した結果,71例のうち51例は高力価のHCV抗体を有していた.年齢別に見た高力価抗体保有率は70歳代が19.1%と最も高く,次いで60歳代が8.5%,40歳代が4.0%,50歳代が3.5%と,加齢と共に高力価抗体保有率が上昇する傾向が認められた.
C型肝炎ウイルス,抗体検査,ヒト免疫不全ウイルス
東京衛研年報 53,25-27,2002
 
 C群ロタウイルスの検出された集団胃腸炎事例の検討
野口 やよい,森 功次,佐々木 由紀子,林 志直,村田 以和夫,諸角 聖
C群ロタウイルスとA群ロタウイルスが同一集団で検出された集団胃腸炎が都内の1小学校で発生した.患者の発症パターンが一峰性で,調理従事者にC群ロタウイルス陽性者が見出されたことから,C群ロタウイルスの食事を介した感染が疑われたが,保存食材からは,ウイルスが検出されなかった.例年,冬から春にかけて,ノーウォーク様ウイルスによる集団胃腸炎が多発する時期に,今回のようなロタウイルスによる集団事例もありうるので,ノーウォーク様ウイルス以外のウイルスによる胃腸炎も視野に入れた検査法を組み合わせて実施する必要がある.
C群ロタウイルス,胃腸炎,集団発生
東京衛研年報 53,28-32,2002

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VII 精度管理に関する調査研究 和文要旨
II 医薬品等に関する調査研究 和文要旨