お風呂で感染するレジオネラ症にご用心



お風呂で感染するレジオネラ症にご用心
最近、レジオネラ症の報告件数が増加しています。平成18年12月には、都内の高齢者の男性がレジオネラ症で亡くなるという事故がありました。この男性が利用した介護老人保健施設のお風呂がレジオネラという細菌に汚染されていたことが原因と考えられました。そこでここではレジオネラ属菌が浴槽水で繁殖する仕組や、入浴施設などの浴槽水が原因となったレジオネラ症の発生状況、そして、入浴施設などのレジオネラ属菌汚染を防ぎ、感染被害を防止するための取組などについてご紹介します。


レジオネラ属菌とは?
レジオネラという細菌には多くの種類があり、いずれも病原性があるので、種類を区別しないでレジオネラ属菌と呼ばれます(写真1)。 レジオネラ属菌はもともと土壌や河川、湖沼など自然界に広く生息している細菌で、土埃とともに私たちの生活環境に入り込みます。一般に36℃前後が最も増殖に適した温度といわれていますが、ほかの細菌に比べて増殖に時間がかかります。また、アメーバなどの原生動物に寄生し、増えることができます。そのため、循環式浴槽のような温かい水が長時間循環し、また、外部からの汚れによってアメーバなどの微生物が繁殖しやすい人工的な環境に入り込むと、繁殖に好都合な条件がそろい、急激に菌数を増やすことがあります。


写真1 レジオネラ属菌の顕微鏡写真
(赤く染まっているのがレジオネラ属菌 長さ0.002〜0.005mm)


一口メモ:レジオネラという名前の由来

この細菌が、米国在郷軍人会(レジオン)の総会で集団発生した肺炎の原因菌であったことにちなんで名付けられました。



レジオネラ症とは?

レジオネラ属菌に汚染された水のエアロゾル
( 目に見えないような細かい水滴) を吸い込むことで、レジオネラ属菌が肺に感染しておこる感染症をレジオネラ症といい、症状によって次の二つに分けられます。

レジオネラ肺炎

高熱、寒気、筋肉痛、吐き気、意識障害などを主な症状とする肺炎で、時として重症になり死に至る場合もあります。


ポンティアック熱

発熱、寒気、筋肉痛を主症状とした非肺炎型疾熱患で、一般に数日で軽快します。

レジオネラ属菌は乳幼児や高齢者、病人など抵抗力の弱った人に感染しやすく、健康で抵抗力のある人は感染しにくい傾向があります。また人から人へ感染することはありません。 都内で届け出られたレジオネラ症の件数は、平成12年から16年まではほぼ横ばいでしたが、17年から18年には急増しました(図1)。平成15年4月から尿を用いた検査キットがレジオネラ症の診断方法として保険適用となり、平成17年10月にはこの方法が肺炎診療ガイドラインに掲載されました。これによって診療現場での関心が高まり、レジオネラ症診断の届出が増えたことも影響しているのではないかと考えられます。



図1 平成12年から18年までの都内のレジオネラ症届け出数の推移
(感染症発生動向調査データによる)



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レジオネラ属菌とは?
ジオネラ症とは?ジオネラ症とは?
浴槽水によるレジオネラ症の発生事例
浴槽水でレジオネラ属菌が繁殖する仕組
レジオネラ属菌汚染を防止するための都の取組
健康安全研究センターによる浴槽水のレジオネラ属菌調査
レジオネラ属菌の感染を防ぐために
浴槽水以外のレジオネラ属菌感染源
おわりに

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