特集
食品とダイオキシン






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食品とダイオキシン

ダイオキシン類とは

ダイオキシンは廃棄物の焼却や様々な化学物質の製造過程で非意図的に生成される化合物で、発がん性や催奇形性などの様々な毒性が疑われています。ダイオキシンは一度環境中に排出されると、分解されずに長期間にわたり残留し、それらは食物連鎖により動物や植物にも移行・残留します。これまでの調査で、人は主に食品を介してダイオキシンを摂取していることがわかっています。

ダイオキシンは正確には「ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン」といいます。ダイオキシンには化学構造や毒性が似た類縁の化合物があります。一つは「ポリ塩化ジベンゾフラン」、もう一つはポリ塩化ビフェニル(PCB)の一種である「コプラナーPCB」です。この三つを合わせて「ダイオキシン類」と呼ばれていますが、名称が長いので、実際には「ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン」はPCDDs、「ポリ塩化ジベンゾフラン」はPCDFs、そして「コプラナーポリ塩化ビフェニル」はCo-PCBsと略号で表記されますので、ここでも以下略号で表記することにします。

ダイオキシン類は図1のように亀の甲の形をしたベンゼン環2つが酸素(O)を介して、あるいは直接結合して、それに塩素(Cl)が付いた構造をしています。図1の数字の位置には塩素または水素が付いています。ダイオキシン類には塩素の数と付く部位が異なる異性体や同族体と呼ばれる多くの化合物が存在しますが、このうち毒性を有するものは限られています。


図1 ダイオキシン類の構造


毒性のあるダイオキシン類

世界保健機関(WHO)では毒性を有するダイオキシン類として以下の29種類を示しています。

これら29種類が、「食事由来のダイオキシン類摂取量調査」においての分析対象化合物となりますが、毒性には大きな差があります。そのため、ダイオキシン類全体の毒性の強さを評価するための手段が必要になります。これが毒性等価係数(TEF)と毒性等量(TEQ)です。


一口メモ:TEFとTEQ

最も毒性が強い2,3,7,8-TCDD (2,3,7,8-四塩化ジベンゾパラジオキシン)の毒性を1とし、他のダイオキシン類の毒性の強さを換算した係数を毒性等価係数(Toxic Equivalent Factor:TEF)と呼びます。実際に測定した濃度にTEFを乗じた値が毒性等量(Toxic EquivalentQuantity:TEQ)で、一般的にダイオキシン類の濃度はTEQで表されます。



ダイオキシン類の発生源

ダイオキシン類は、意図的に作られることはなく、炭素・酸素・水素・塩素が一定の温度で熱せられる過程で発生する副生成物です。主な発生源は、ごみの焼却による燃焼ですが、その他に製鋼用電気炉からの発生や、自動車の排気やたばこの煙などにもごく微量含まれています。また、後述のPCB製品や農薬にも不純物として含まれていたことがあります。ダイオキシン類は、水に溶けにくく、脂肪には溶けやすいという性質があります。環境中に出たダイオキシン類は土壌や水を汚染し、長期間環境中に残存します。これらはプランクトンや魚介類中に蓄積され、食物連鎖を通して他の生物にも蓄積されていきます。すなわち、食品中のダイオキシン類もこれら環境中のダイオキシン類が移行・残留した結果です。


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