特集
カンピロバクター食中毒を防ぐには

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特集
カンピロバクター食中毒を防ぐには

1.
カンピロバクターとは?

写真1 カンピロバクターの電子顕微鏡写真
(長さ1.5〜5μm, 幅0.2〜0.4μm)
カンピロバクターは、食中毒を起こす細菌です。ニワトリ、ウシ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ハトなどの動物の消化管内に高率に住み着いています。この菌は、酸素が少ない環境を好み、酸素が十分にある通常の大気や、逆に酸素が全くない環境では増殖できません。また、食品や水とともに、ヒトの口から入り、腸内で増えて下痢などの症状を起こします。他の食中毒と比べて、少量の菌でも感染をおこすといわれており注意が必要です。

2.
カンピロバクター食中毒の特徴

カンピロバクター食中毒は、下痢や腹痛をはじめ、発熱、倦怠感、頭痛、めまい、筋肉痛など多様な症状が起こることがあります。初期段階では風邪と間違われることもあります。菌が体内に入ってから発症までの期間(潜伏期間)が1〜7日(平均2〜3日)と他の細菌性食中毒に比べ長いのが特徴です。

3.
カンピロバクター食中毒の発生状況と原因食品

図1 カンピロバクター食中毒の発生状況
患者数:2人以上の事例
わが国におけるカンピロバクター食中毒の発生件数は、平成10年ごろから増加しています(図1)。都内においても同様で、平成15年には、細菌性食中毒の原因物質別事件数及び患者数のいずれにおいても一位になっています。その原因食品として鶏肉の関与が疑われています。特に、生又は生に近い鶏肉(鶏肉の刺身、レバ刺し等)を食べたことにより発症する場合が多く、鳥肉の生食や加熱不足の鳥肉料理及び二次汚染が原因と考えられています。

4.
安全な鶏肉調理のコツ

安全に鶏肉を食べるにはどうしたらよいのでしょうか?
カンピロバクターの特性を理解し注意を払えば、たとえカンピロバクターが鶏肉に付着していても安全に食べることができます。カンピロバクターがどのくらいの温度で何分ぐらい加熱すれば死滅するのか実験してみました。
実験では、生理食塩水にカンピロバクターを混ぜて加熱して、菌が死滅する条件を検討しました。その結果、65℃まで加熱すると30秒以内で死滅することがわかりました(表1)。
表1 カンピロバクターが死滅する加熱温度と時間
温度 加熱時間
30秒 1分 2分 3分 4分 5分 7分 10分
45℃
50℃ × ×
55℃ × × × × × ×
60℃ × × × × × × ×
65℃ × × × × × × × ×
70℃ × × × × × × × ×
○:菌が生存 ×:菌が死滅



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